健康効果が期待できる野菜として注目される菊芋は、栽培にあたって注意すべき点があります。
菊芋を植えてはいけないと言われる理由は、繁殖力がとても強く、他の作物に影響を与えてしまうためです。
この記事では、菊芋を植えてはいけない理由や、種芋からの栽培方法、注意点について解説します。
菊芋を植えてはいけないと言われる理由は強すぎる繁殖力
「菊芋」と検索すると、「植えてはいけない」という候補が出てくることがあります。
植えてはいけないと言われる理由は、菊芋は繁殖力がとても強く、他の作物に影響を与えてしまうからです。
菊芋の生命力はとても強く、畑の土に含まれる栄養素をほとんど吸収して芋(塊茎)に蓄えます。
そのため、土の栄養を全て吸い取ってしまい、狭い畑では菊芋の周りの作物が育ちにくくなります。
後述しますが、菊芋は横に広く根を張って芋をつけ、その幅は両手を伸ばしたくらいになります。
「植えてはいけない」わけではありませんが、他の作物への影響を少なくするためには、1m以上は間隔を開けて植えるようにしましょう。
菊芋の連作障害
菊芋は連作障害があり、2〜3年はあけた方が良い作物だと言われています。
しかし「去年掘り残してしまった菊芋が、翌年そのまま芽を出して実った」ということもあるので、その生命力の高さが伺えます。
種芋の入手方法
菊芋はとてもマイナーな野菜なので、一般的にはホームセンターや種苗店で種芋は売られていません。
それどころか、農家でも菊芋という野菜は「聞いたことがある」程度の認知度しかない場合がほとんどです
お近くの種苗店やホームセンターに問い合わせてみて、取り扱いがなければインターネットから種芋を購入しましょう。
もしくは、食用で売っているものでも種芋にできます。
カビていなければ、芽がついているものなら、かなり小さい種芋でも芽が出てきます。
大きい菊芋は、じゃがいもの種芋と同じようにカットして使うことができます。
大きさは、だいたい30gを目安にカットしましょう。
菊芋の植え付け
家庭菜園で菊芋を育てる場合、プランターに向きません。
菊芋は地下部に横に広がってイモが旺盛につき、草丈も高くなるので、プランターのサイズを超えてしまいます。
土づくりとして、苦土石灰(くどせっかい)を100g/m2を目安に撒きます。
土壌酸度はpH:6.0〜6.5が最適とされています。
植え付け時に水は不要で、植えてから2週間もすれば芽が出てきます。
菊芋の栽培
菊芋は病害虫の心配もほとんどなく、ぐんぐんと草丈が伸びていきます。
草丈が2~3mも伸びるので、支柱とひもで囲って育てます。
多すぎる葉は、適宜カットしてしまいます。
菊芋の花と花言葉
9月〜10月になると、菊芋は鮮やかな黄色い花を咲かせます。
花言葉は『陰徳』『美徳』『恵み』『気取らぬ愛らしさ』などがあります。
なお、似たような花としてキクイモモドキなどがあります。
菊芋の収穫
秋の時期になると塊茎部分が肥大していきます。
11月過ぎの時期になったら収穫時期です。
イモを傷つけないように茎から1mほどのところからスコップを入れ、菊芋を掘り起こしていきます。
繁殖力が強く、掘り残しがあると雑草化しやすいので、入念に掘り取りを行ってください。
なお、菊芋に含まれる成分の「イヌリン」は、光を浴びると分解されてしまう特性があるため、食べる分以外は土に埋め戻しておきましょう。