菊芋の見た目はショウガに似ていますが、含まれる成分や遺伝的にはヤーコンに似ています。
ヤーコン(英名:Yacon)は、南アメリカ原産のキク科の植物で、独特の甘さとシャキシャキとした食感があります。
菊芋にも含まれるイヌリンや、フラボノイドなどの健康効果が期待できる成分が豊富で、近年注目されています。
この記事では、ヤーコンの効能や糖尿病への影響、栽培方法、食べ方、おすすめのレシピについて解説していきます。
目次
菊芋に似た芋
菊芋(キクイモ)の見た目は、生姜(ショウガ)に似ています。
日本のショウガは、中国では姜(ジャン)と呼ばれています。
見た目がショウガに似ていることから、中国では菊芋を洋姜(ヤンジャン)と呼んでいます。
見た目は似ていますが、菊芋はキク科で生姜はショウガ科の植物でなので、遺伝的には離れています。
同じキク科であり、同じ成分(イヌリンなど)を含む植物としては、菊芋と似た芋はヤーコンです。
ヤーコンに含まれる成分や効能
ヤーコンは見た目に反して水分を豊富に含み、シャキシャキとした食感があります。
別名「畑の梨」とも呼ばれています。
ヤーコンには、イヌリンという水溶性の食物繊維が豊富に含まれており、腸内環境を整える効果があります。
見た目は全く違いますが、イヌリンは菊芋にも多く含まれています。
また、ビタミンやミネラルも含まれているため便秘解消や免疫力の向上、血糖値の上昇抑制などの効果が期待できます。
さらに、ヤーコンにはカリウムが多く含まれており、高血圧の予防や改善にも役立ちます。
その他、クロロゲン酸などのポリフェノールも含まれており抗酸化作用が期待できるため、アンチエイジングや美容にも効果的です。
ヤーコンと糖尿病
ヤーコンは、低カロリーでありながら甘さがあるため、糖尿病患者にもおすすめです。
イヌリンは、血糖値の急激な上昇を抑える作用があり、糖尿病の予防や改善に役立ちます。
また、食物繊維が豊富なため、食後の血糖値上昇を緩やかにし、インスリンの分泌を助ける働きがあります。
さらに、ヤーコンは低カロリーであるため、肥満の予防にも役立ち、糖尿病リスクを低減することができます。
毒性はないが、食べすぎると下痢になる可能性が
ヤーコンには、特に毒性がある成分は含まれていません。
ただし、過剰摂取による腹痛や下痢などの副作用が報告されていますので、摂取量に注意しましょう。
また、アレルギー体質の方は、ヤーコンを摂取する際には注意が必要です。
まれに、ヤーコンに対するアレルギー反応が起こることがありますので、初めて食べる際は少量から試し、体調に異変がないか確認しましょう。
ヤーコンの栽培
ヤーコンは、連作障害や病害虫の心配も比較的少なく、日本の気候でも栽培が可能です。
4月〜6月に苗を植え付け、10月〜11月に収穫するのが一般的です。
土づくり・植えつけ
土壌酸度 | pH6.0〜6.5 |
苦土石灰 | 100〜150g/㎡ |
堆肥 | 3ℓ/㎡ |
化成肥料 | 100g/㎡ |
苗を植える、1週間前〜当日までに土づくりをします。
スタートは、苗やタネイモ(塊茎)から植えていきます。
畝の幅は80〜100cmほどあけ、それぞれの畝に50cm間隔で苗やタネイモを植えていきます。
追肥
植え付けの2週間後から、月に1回ほどの追肥を行ってください。
株の周りの化成肥料を30g/㎡をまき、肥料と土を軽く混ぜ合わせて株元に土寄せします。
病害虫の心配はほとんどありません。
日当たりと水はけの良い場所を選び、適度な水やりを心がけましょう。
収穫
秋になると、茎の先にヒマワリに似た花が咲きます。
ヤーコンは寒さに弱いため、霜が降りる前に収穫することが重要です。
地際から20cmほど残して茎を刈り、周りの土をスコップでほぐして引き抜いてください。
掘り上げたヤーコンは塊根(食用部分)と塊茎(白っぽい、地下茎)に分けます。
塊茎は、タネイモとして再利用することができます。
寒さに弱いので、塊茎を新聞紙に包んで発泡スチロールなどに入れ、翌年まで温度と湿度を保っておきましょう。
ヤーコンの食べ方と生レシピ
ヤーコンは、生で食べることができます。
皮をむいてスライスし、そのままサラダやスムージーに加えることができます。
生のままの食感を楽しむには、ヤーコンとえびのサラダなどがおすすめです。
また、漬物やマリネにすることもおすすめです。
リンゴとヤーコンを細切りにし、レモン汁とオリーブオイルで和えるだけで、簡単に美味しいサラダが作れます。
細切りにして空気に触れると、酸化して褐色になりやすいので、レモンなどの柑橘系の果汁が色止めの役割を果たします。
ヤーコンの人気レシピ
ヤーコンは、炒め物や煮物、スープなど、さまざまな料理に利用できます。
特に、ヤーコンと豚肉の炒め物や、ヤーコンと人参のきんぴら、ヤーコンのポタージュスープなどが人気です。
また、デザートとして、ヤーコンのコンポートも美味しくお召し上がりいただけます。
その他、ヤーコンの天ぷらや、ヤーコンと大根のみぞれ煮など、アレンジが豊富で楽しめます。
ヤーコンは、和洋中さまざまな料理に合わせることができ、新しい味わいを楽しむことができます。
ヤーコンの保存方法
1本をそのまま保存する場合は、新聞紙などに包み冷暗所で保存してください。
カットされたものを保存する場合は、ラップで包み、ポリ袋に入れて野菜室で保存してください。
まとめ
- ヤーコンには、イヌリンなどの有益な成分が含まれ、腸内環境の改善や血糖値の上昇抑制などの効果が期待できます。
- 糖尿病患者にもおすすめであり、毒性は特にありませんが、過剰摂取には注意が必要です。
- 日本でも栽培が可能で、春に植え付けて秋に収穫するのが一般的です。
- 生で食べることができるほか、炒め物や煮物、スープなど、さまざまな料理に利用できます。
- ヤーコンと豚肉の炒め物や、ヤーコンと人参のきんぴら、ヤーコンのポタージュスープなどの人気レシピがあります。
これらの情報を参考に、ヤーコンを上手に活用し、健康的な食生活を楽しみましょう。
ヤーコンの独特な甘さと食感を生かした料理を試してみて、日々の食卓に彩りを添えてください。