世界での菊芋の呼び名|英語で「エルサレム アーティチョーク」と呼ばれる理由

日本で菊芋(キクイモ)と呼ばれる植物は、正式な学名はHelianthus tuberosus(ヘリアンタス ツベローサス)。
「ヒマワリ属で塊根のある植物」という意味があります。

菊芋は世界中で

  • エルサレム・アーティチョーク
  • トピナンブール/トピナンバー
  • 洋姜(ヤンジャン)
  • フレンチポテト、カナダポテト

など様々な名前で呼ばれています。

この記事では、世界各国での菊芋の呼び名と、その由来について解説します。

日本で菊芋という名前がついた由来と別名

日本では菊芋という名は「花が菊、根が芋」に似ていることが由来となっています。
1853年のペリー来航時に伝わり、理学博士の伊藤圭介氏と田中芳男氏によって研究されました。[6][7][8]

ヒマワリのような鮮やかな黄色の花を咲かせ、食用としてだけでなく、観賞用としても栽培されています。

キクイモの花

日本では和名として菊芋(キクイモ)として呼ばれていますが、別名アメリカイモ、ブタイモとも呼ばれます。[2]

菊芋は英語で「エルサレム アーティチョーク」と呼ばれる理由

Jerusalem artichokeの名で売られるキクイモ

キクイモの英名は、Jerusalem artichoke。「エルサレム アーティチョーク」と読みます。
とてもややこしいのですが、菊芋、つまり「エルサレム アーティチョーク」は、イスラエルの都市エルサレムとも、キク科の野菜であるアーティチョークとも関係がありません。

エルサレムの名前がついた由来

もともとはアメリカに入植したイタリア人が、キクイモとヒマワリが家族的な関係にあることから、イタリア語でヒマワリを意味するgirasole(ジラソーレ)と呼んでいました。
そのうちにジラソーレという名前がエルサレムの意味であある「ジェルサレンメ(Gerusalemme)」と英語圏の人々によって聞き間違られ、エルサレムの意味のまま世界中に広がってしまいました。[4](※諸説あります)

アーティチョークの名前がついた由来

アーティチョークはキク科の野菜で、日本ではチョウセンアザミと呼ばれています。

アーティチョーク

主にヨーロッパやアメリカで、アーティチョークの若いつぼみを食用とする文化があります。

アーティチョークのプレート

菊芋にアーティチョークの名前がついた由来は、菊芋の味とアーティチョーク(チョウセンアザミ)の味が似ているからです。
1600年代前半にフランスの探検家サミュエル・ド・シャンプランが、菊芋のサンプルを母国に送り、その味がアーティチョークに似ていると指摘した記録が残っています。[4][5](※諸説あります)
なお、当時のフランスでは菊芋が大人気となったのですが、後にコロンブスによってジャガイモが持ち込まれ、菊芋の人気はジャガイモに奪われてしまいました。

フランス語やイタリア語で菊芋はトピナンブール

フランス語やイタリア語では、菊芋はトピナンブール(topinambour)、ドイツ語ではトピナンバー(topinambur)と呼ばれています。

名前の由来は、南米やブラジルのアマゾンで菊芋の栽培をしていたトゥピナンバ族(Tupinamba)からとられたという説があります。

中国語で菊芋は洋姜(ヤンジャン)

中国では、洋姜(ヤンジャン)と言います。[3]
日本のショウガを中国では姜(ジャン)と呼ぶのですが、菊芋の見た目がショウガに似ていることから、洋(西洋から来た)姜(ショウガ)と呼ばれています。
日本と同じく、漬け物、炒め物、煮物など幅広く使われています。

参考文献

[1]YList 植物和名-学名インデックス:簡易検索結果
[2]キクイモ / 国立環境研究所 侵入生物DB
[3]キクイモ - Wikipedia
[4]Jerusalem artichoke - Wikipedia
[5]サミュエル・ド・シャンプラン - Wikipedia
[6]菊芋について | 日本糖尿食研株式会社 (tounyou.co.jp)
[7]伊藤圭介 (理学博士) - Wikipedia
[8]田中芳男 - Wikipedia

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